映画について

アカデミー賞発表でしたね。韓国映画推しの僕にとってはパラサイトは妥当だったし、でも嬉しかった。ホアキン・フェニックスのスピーチは感動しました。さて、問題なのは日本映画です。僕は昔から日本アカデミー賞というものが嫌いです。日本映画を衰退させる賞。こんなものがあるから世界で戦えない。つまらない作品ばかりが賞を獲りつまらない客層がそれを観る。カメラを止めるななんてその代表格。カメラを止めるなで世界で戦えますか?話題にはならなくてもいい映画はたくさんあるんですよ。配給が回らないだけで。やっぱ僕は日本映画の強みは万引き家族のようなヒューマンドラマというか人を描いた作品に強みがあると思うのでそれを推したい。繊細な人間描写は日本人の得意とするところ。話は変わりますが、昔の人の方がたくさん映画を観ていた。もちろん娯楽が少なかったのもあるけど目が肥えていたと思います。今は観る側も腐ってるから撮る側も腐ってる。正直、100本あったら30本くらいしか、いい映画がないと思う。別に黒澤明や小津安二郎や岡本喜八を観ろという訳ではないが昔はいい映画がいっぱいあった。観客がしっかりしないと撮る側もしっかりしないんです。普段インディーズ映画ばかり観てる僕が今回のアカデミー賞を振り返って思ってる事なんです。韓国映画も国策として助成金出してるみたいなんですが色々と調べるとそれだけじゃないというか蹴ってる作品も多いみたい...

脚本について

実は今脚本に挑戦しています。以前から興味がありふとした事から知り合いの脚本家・演劇家の方に書いてみたらと言われ今に至るまでです。実は小説は二部くらい書いており、小説だと割合とすらすら書けるのに脚本となると全然書けません。たぶん小説と脚本だと対位法が異なるんですね。私小説の場合、割合と淡々と書けばいいのですが演劇だと難しい。常に対人を意識してしまう。だったら一人芝居でいいって声もあるけど限界がある。難しい課題ですが頑張ります。まあ、脚本家の方も半年くらいかけてるみたいなんで。書くしかない。

録音とマスタリング

お久しぶりです。今回はかなり趣味的要素の強い記事です。すみません。僕は音楽を聴く際に、純粋にそれを楽しみ前に気になってしまう事があります。それは録音とミキシング、マスタリングなんです。まずそれぞれのクレジットを確認してしまいます。あーこのスタジオでこのエンジニアかぁとか確認しているんです。サブスクでもネットで検索して確認しています。気がつけば10代の頃、宅録をはじめてから気になるようになって続けている事なんです。極論を言えば、録音・ミキシング・マスタリングで全然音が違ってくるのでとても重要なんです。くるりのその線は水平線と言う曲のギターの音が素晴らしくはじめは海外recかなと思ったら国内レコーディングでした。確かに海外だと音圧が違うので特に弦楽器は音がいい印象がありますが、このその線は水平線のギターはとてもいい音です。事実色々な媒体でミュージシャンからも絶賛されています。他にも色々な音源を聴く中でリマスタリングされたものを聴く機会がありますが全く同じ曲なのに新しく感じることがあります。案外、録音・ミキシング・マスタリングって気にしないかもしれないけど意識すると面白いです。

くるりにおける青臭さ

今日一日くるりを聴いて飲んでる。しかし飽きない。この飽きないという感情はどこから産まれてくるのだろう。第一にコードなどの和声の響きがある。所謂ポップ・ロックバンド的なコード進行ではない。これはくるりをコピーする際にぶち当たる壁であるが同時に音楽家として目覚めさせてくれる事である。次に詩であるが、常に文体の基本は主であるようで他者である。これまでの主な曲がそうである。結局のところ、青臭い。だが、しかし僕らはその青臭さを分かっていながら身を委ねてしまう。何故なら僕らが青臭いから。蒼い春に夕を見てるから。結局は僕らの問題なのだ。

気持ちのいい音

新年明けましておめでとうございます。稚拙ながら今年もこのブログをよろしくお願いします。さて、新年1発目はくるりのアルバムについて語りたいと思います。昨年1番聴いたアルバムはくるりの『ソングライン』でした。何故だろ。答えは簡単。聴いていて心地よいし音がいい。アンテナやNIKKI等もそうだったけど録音・ミックス・マスタリングがこのアルバムは秀でてる。特にドラムとギターの音は素晴らしく感動した。録音エンジニアが2人いたため差はあるもののヴォーカルもいつも以上に伸び伸びと録れている。その線は水平線は往年のくるりらしさを感じさせてくれるし、Tokyo Opでは相変わらずの変態性を聴かせてくれる。その他の楽曲も自然と耳に入ってきて残るしサウンドプロダクションも素晴らしい。そう自然さなのだ、このアルバムは。サウンドプロダクション的には難しい事をやっていても不思議と耳に入ってくる。グルーブも気持ちいい。普通のバンドであれば小節事の演奏が常だが今のくるりは小節よりも全体の流れを意識している。何人ものドラマーを起用しながらグルーブが一定で気持ちいいのもそれが要因だろう。決して派手ではないアルバムだがこれからも長く付き合えるアルバムではないだろうか?爆発的なヒット曲はいらない。ずっと聴ける音楽が欲しい。ソングライン。これはまさしくずっと聴ける音楽たちだ。音楽の一粒一粒が優しく輝いている。昨日も今日も僕は...

春を思う

2019年もあと僅か。冬真っ只中。ジョン・レノンのイマジンを聴きながら書いています。季節は冬ですが、僕はもう春のことを考えています。勘のいい方なら分かったかもしれませんが洋服の事です。ここのところネットで色々なメゾンの来季の春夏のコレクションを見て楽しんでいました。自分なりの来季の春夏に着たいスタイリングがイメージがあります。まずトップスに関しては久しぶりにワイシャツを着たい気分です。サイズは40もしくは42で大きめ。トラッドな着方にならないようにする。今までワイシャツを着ても何となくトラッドな感じになっていたので違うスタイリングがしたい。次にパンツですが、ワイドなクロップドパンツを履きたい気分です。これは毎年のことです。足もとですがスニーカーかローカットの革靴。以上のスタイルの参考になったのが下記の写真。

声と音楽

サザンと桑田佳祐のソロがサブスク解禁になったので、試しに桑田佳祐のソロを1枚ダウンロードしてみました。実のところサザンも桑田佳祐も好きではなかったので今まで聴いたことがなかったのが正直なところ。聴いた印象はディランを彷彿させる作品で面白かったです。そこでふと思ったのが桑田佳祐もディランも決して歌に関しては特別上手くないよなってこと。でもなんで惹き込まれるのかと考えたんですが、声質と歌いまわしが耳に残るんですよね。よく考えたら、実はこれ僕が普段聴好んでリスニングするミュージシャンにも当てはまるんです。最近は北欧のミニマルテクノを好んで聴いているんですが、やっぱりぶっ通しで長時間テクノを聴くと疲れるんです。で箸休めに邦楽のポップスを中心に作ったプレイリストを聴くんですが、その内容がくるり・ハナレグミ・フィッシュマンズ、天才バンド・チャラ・UA・YUKI・ハンバートハンバート・細野晴臣・忌野清志郎・矢野顕子といった内容なんですが、みんな声が独特なんですよね。一聴してこの人だって分かるような。上手い下手じゃなくて声質と歌いまわしが独特というか。その昔、くるりのライブに一人で行った時、たまたま隣の人も一人で来ていて話が合ったのでライブ後に二人で飲みに行ってくるりの話を色々していたんですが、岸田は歌は上手くないよなって話になってでも耳に残るしなんか癖になっちゃうよねって話をしてたんです。それで...

着るものとは

クリスマスイブですね。イブとは全然関係ない洋服の話です。あなたは好きなブランドやこだわりとかありますか?今日はそんなことをダラダラ話す感じです。僕には好きなブランドが3つあって、マルタンマルジェラ・N.HOOLYWOOD・sacaiという3つのブランドです。コレクションブランドなのでなかなかしょっちゅうは買えませんが機会があれば買って着ています。過去のコレクションで欲しくても買えなかったものでも中古で見つけて状態が良ければ手に入れています。まあそれくらい好きなんですね。マルジェラはもう誰もが知るビッグメゾンなので言及はしませんが、残り2ブランドについて何故自分が好きなのか少し考えてみました。まずN.HOOLYWOODですが、デザイナーの尾花氏は所謂古着上がりなんですね。洋服のデザインももちろんながら細かいディテールまですごい凝ってる。僕も古着を解体して研究したりしてましたが、デザインとディテールの融合出来てるのってすごいと思う。あとここ数シーズンはパターンも自分好みです。サイズ的に言うと38くらいが売れ筋っぽいけど、僕は敢えて40〜42を着ています。次にsacaiですがご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが創業者は阿部千登勢氏。コム デ ギャルソンでニットのパタンナーなどを経験し、結婚・出産を機に退社。その後、服のデザイン活動を再開して誕生したブランドです。最初はウィメンズブラン...

絵について

今日は僕が絵について僕にインタビューします。◯絵を描き始めたきっかけは何ですか?・あまり覚えてなくてきちんと意識するようになったのはここ5,6年かな。小学生の頃とかには県の作品展で2位だったり大きくなってからも小さな展覧会とかで入賞した事はあったけど今ほどは真剣じゃなかった。◯今のような意識になるきっかけとかってなんですか?・特にないんだけど、強いて言うなら自分の絵を認めてくれる人が増えたことかな。

黒澤明「影武者」を観て。

たぶんこれで3回目だろう、「影武者」を観たのは。いい加減レビューを書かなければならないと思いMacの前にいる。ネタバレになるので短めに。公開は1980年。公開当時から賛否両論のある黒澤映画だ。賛否両論とは書いたが公開から今に至るまでどちらかと言うと否の方が多いかもしれない。黒澤作品としては異質で馴染めない人も多いと思う。しかし、この作品は素晴らしい。まず前提としてこの作品は「崩壊と喪失」の物語であり、黒澤作品の多くのテーマであるヒューマニズムを描く物語ではない。また感情移入するような物語でもない。盗人が影武者になる成長物語でもない。「崩壊と喪失」と書いたが、これは劇中の武田家と影武者=盗人両方に当てはまる。武田家は信玄が死に徐々に崩壊の道を辿る。一方で盗人は影武者になることで自己を喪失し最後は自己が崩壊する。映画の冒頭で信玄・信玄の弟・盗人の3人で話をしている長回しのカットがあるのだが、信玄だけには大きな影があるのに残りの2人には影がない。本物には影があり偽物には影がないのだ。いやもしかしたら影は信玄の死を暗示していたのかもしれない。最終的に戦に敗れ崩壊する武田家のシーンでは曇天か夜といった暗い場面が多く、反対に戦に勝利する信長のシーンでは明るい場面が多いのも物語の結末を暗示するものかもしれない。盗人は幸せだったのだろうか。信玄という影を背負い自己は押さえつけなくてはならなかった。...