声と音楽

サザンと桑田佳祐のソロがサブスク解禁になったので、試しに桑田佳祐のソロを1枚ダウンロードしてみました。実のところサザンも桑田佳祐も好きではなかったので今まで聴いたことがなかったのが正直なところ。聴いた印象はディランを彷彿させる作品で面白かったです。

そこでふと思ったのが桑田佳祐もディランも決して歌に関しては特別上手くないよなってこと。でもなんで惹き込まれるのかと考えたんですが、声質と歌いまわしが耳に残るんですよね。よく考えたら、実はこれ僕が普段聴好んでリスニングするミュージシャンにも当てはまるんです。

最近は北欧のミニマルテクノを好んで聴いているんですが、やっぱりぶっ通しで長時間テクノを聴くと疲れるんです。で箸休めに邦楽のポップスを中心に作ったプレイリストを聴くんですが、その内容がくるり・ハナレグミ・フィッシュマンズ、天才バンド・チャラ・UA・YUKI・ハンバートハンバート・細野晴臣・忌野清志郎・矢野顕子といった内容なんですが、みんな声が独特なんですよね。一聴してこの人だって分かるような。上手い下手じゃなくて声質と歌いまわしが独特というか。

その昔、くるりのライブに一人で行った時、たまたま隣の人も一人で来ていて話が合ったのでライブ後に二人で飲みに行ってくるりの話を色々していたんですが、岸田は歌は上手くないよなって話になってでも耳に残るしなんか癖になっちゃうよねって話をしてたんです。それで最終的な結論としてくるりの曲は岸田の声だから感動できるんであって、ヴォーカル上手い奴がやっても響かないよなって話になったんです。

確かに歌が上手いことはすごい事ですが、一つの作品として考えたときに耳に残る歌の方が正直僕は好きです。過去に1回音大の声楽科卒の人に歌ってもらったんですが確かに歌は上手いんですが耳に入ってこないんです。無意識のうちに歌を歌う時に音符で捉えちゃってるからメロディーとしては完璧でも感覚として響いてこないんです。逆に昔、駅前で弾き語りをしている女の子がいたんですが、ちょっとキーを外すことはあっても声が独特で耳に残りました。持論として歌がいい人って裏拍とか拍の取り方が良いんですね。これはドラムなんかもそうなんですが裏拍を意識してタメを持って叩ける人とそうでなくリズムだけを正確に叩く人だったら前者の方が雰囲気出るんでし感覚的にいいと思うんです。

話は逸れますがストーンズの演奏も同じようなことが言えるんですよね。ストーンズって決して演奏は上手くないけど、独特のタメというかタイム感があってそれが不思議と音楽として成立してる。ストーンズを譜面通りに弾くのは簡単だけどあの音を出すのは難しいです。

声質と歌いまわし、これは生まれ持ったものだから音楽を演る上で財産ですよね。

さて、くるりを聴くかな。

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